秋です。
マムの綺麗な季節です。
マムとは「クリサンセマム」という英語の略です。日本語で、平たく、的確に言うと「菊」ですね。でも花の世界では、マムということが多い。(1本にたくさん花のついた菊の総称は「スプレーマム」となるわけです)そう呼んだほうが相応しいんじゃない?というくらい、美しいお花がいっぱい。
"エポック"というマムです。大きいです。直径12、3センチくらいあります。1輪の中にある、美しいグラデーションカラーは、見ていてハッとさせられます。こんな美しさをもつマムは、FLORA*2では、和の世界を大切にしたご披露宴の装花に登場させています。(何日後かにその装花たちをご紹介させていただきます。)
季節(気温)や産地が変わると同じ名前のお花でも、色合いは淡くなったり、濃くなったり、色味が変わったりするものなのですが、やっぱり秋になるとマムの色合いも深くなる様子。
こちらは、"アナスタシア グリーン"というマム。(アナスタシア シリーズというものがあって、他にも白やオレンジ色のものもあります)この発色のよいグリーンのマムは、FLORA*2澤田のお気に入りです。やっぱり大きいですよ。12、3センチはあります。
こういう花びらの重なりを見ていると、自然ってすごいといつも思う。
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マム(菊)は哀しみのお花という感覚が欧米にはない。そのことは、わたし(FLORA*2澤田)が花を習い始めたときに聞いたことはありましたが、実際旅にでて、よく哀しみの祭壇花に使われている花として日本ではおなじみの あの白い大輪の菊が、普通の花束にがっつり組み込まれているのを見たときは、かなりの衝撃でした。きっとマムは「長持ちするとってもよいお花」ということなのでしょうね…。
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さて、ご家庭でこのマムを長く楽しんでいただくには、少しコツがあります。
それは花瓶のお水を少なめにする、ってことです。マムは丈夫だけれど、花瓶の口近くまでお水いっぱい!が苦手なお花です。花瓶にお水いっぱい&お水あんまり取り替えない&おまけに気温が高い、この条件がそろうと、茎が腐りやすくなり、お花の寿命も縮めてしまう…。マムは、逆にお水が少なめでも元気でいてくれるお花なのです。お試しください。
そしてもうひとつ、お家で飾って楽しむときのコツ。
不透明な花瓶に入れて、お花の背丈を短めにし、お花の顔だけ楽しむという方法。しっかりまっすぐの茎にあの菊独特の葉っぱがたくさんついている状態と一緒にお花を楽しむと、私たち日本人はマムを「菊だ〜」と認識してしまいます。できるだけ、「菊らしからぬ?」可愛い花顔だけ楽しむようにすると、シンプルにそのお花だけ楽しむことができるようです。こちらも、ぜひ試してみて。
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ところで、クリサンセマムという英名のスペルって複雑ですよね。このクリサンセマムのスペルのこと、映画「赤毛のアン」のなかに出てくるんですよ。アンの学校で、生徒たちが英単語のスペリングをいかに空で間違えずに言えるかっていうことをですね、競い合うんです。もちろん問題は難しい英単語がいっぱいなわけ。このコンペティションの名称、このことをなんていったかな〜、思い出せないな〜。それでね、出来の良いアンとギルバードが、競い合ってて。そんなシーンで、この複雑なスペルの「クリサンセマム」を「c・h・r・y・s・a・n・t・h・e・m・u・m」とアンが完璧に言えるのです。すると周りの生徒が「おお〜っ」とどよめく…そんなシーンだったかな〜。うる覚えなので、細かく違っていたらごめんなさいですが。まあ、そんな場面があったので この"chrysanthemum"という単語を覚えた、という思い出があるのでした。ああ、もう一度、赤毛のアンシリーズが読みたくなってきた!(笑)